膀胱炎
膀胱炎は、思春期以降の女性に多い疾患です。
膀胱炎の主な症状
膀胱炎の主な症状は、排尿痛、頻尿、残尿感、血尿、下腹部痛などです。
時に、切迫性尿失禁がおこる事もあります。
症状が強いことも多く、こじらせると腎盂腎炎になることもありますので早めの治療をお勧めします。
膀胱炎の治療について
検尿検査で、尿中の白血球の確認を行います。
起炎菌は大腸菌が最も多く数日間の内服薬で軽快する場合が多いですが、複数菌感染や薬剤耐性菌感染など初回処方で治りにくい場合は、尿培養や薬剤感受性検査で適切なお薬を処方しています。
生活上の注意としては、症状が治るまで次のことをお願いしています。
- 水分を多くとること
- 無理をせず規則正しく生活すること
- 過度の飲酒や性生活を控える事など
多くは「急性単純性膀胱炎」ですが、短期間に繰り返し膀胱炎のような症状が現れるときは、結石、腫瘍、膀胱機能障害などの基礎疾患の精査が必要な事があります(複雑性膀胱炎)
膀胱炎の診断から治療まで
- 問 診 : 問診票を記入いただきます
- 尿検査 : 検尿、尿培養、薬剤感受性検査
- 診 察 : 腹部の診察
- 治 療 : 内服処方(4~7日間:初発、単純膀胱炎の場合)
単純性膀胱炎では、内服処方の初回治療で完治する場合が多いですが、感染が強い場合や、後述の複雑性膀胱炎は、最近増えている耐性菌などで追加治療を行う事があります。
急性単純性膀胱炎
急性単純性膀胱炎は細菌感染によって急激に発症する病気で、症状は頻尿、排尿痛、血尿、時に切迫性尿失禁がおこる事もあります。
思春期以降の女性に多く、尿道が4~5cmと男性に比べ短いことが1つの要因と考えられています。
普段より忙しく働いた、夜更かし・睡眠不足、排尿をがまんしなければならなかった、水分が摂れなかった、寒いところ・暑いところで長時間過ごした など、なんらかのストレスによって感染防御機能が十分働けずに発症する場合が多いようです。
複雑性膀胱炎
膀胱炎を繰り返し発症する場合は、膀胱炎の原因になる病気(基礎疾患)が隠れている事があります。これを複雑性膀胱炎と言います。
原因疾患としては、不安定膀胱(就学前の女児に多い)、膀胱尿管逆流症(小児と高齢者)、神経因性膀胱(高齢者に多い、残尿増加、膀胱変形)膀胱がん、尿路結石などがあります。
原因を調べる必要がありますので専門医の受診をお勧めします。
間質性膀胱炎
頻尿や尿意切迫感、さらに膀胱痛のような症状があり、医療機関を受診しても検尿はきれいで細菌性の膀胱炎が否定され、過活動膀胱の内服薬で治療しても症状が改善しない場合は、間質性膀胱炎という病気の可能性も考えられます。
医療機関を転々としている患者さんも多いようです。
内服薬などで治療しますが、症状によって入院検査・処置が必要な場合もあります。